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一貫性と純度

医薬品の製造は一貫していなければなりません。規制要件を満たすためには、異なる拠点から、あるいは異なる時期に、あるいは異なる条件で製造されたロットが、全て同じ承認済み最終製品となるように製造されなければなりません。医薬品製造における一貫性と正確さの追求のために、NMR のアプリケーションは、原料試験から純度評価、標準物質の適格性、不純物や溶媒含有量の決定に至るまで、多岐にわたります。

図 1:同じ大人用の歯磨き粉を繰り返し測定した TD-NMR (時間領域 NMR )の結果。一貫した再現性が示されています。

NMR の特長は、シグナルの大きさがそれを生成する原子核の数に正比例するため、得られるデータが本質的に定量的であるということです。その結果、図 2 で示されるデュロキノンの NMR 測定のように、化合物の絶対定量と相対定量の両方に優れた技術だということができます。標準試料、不純物を含む標準試料は、完全な分子特性評価が必要となり、一般的に NMR は純度を示すための定量 NMR(qNMR)として使用されています。

図 2:卓上型 qNMR を用いた外部標準法によるデュロキノンの濃度測定

原材料の試験には、原材料が想定通りであることを確認するための特性評価が含まれますが、NMR はこれらの原材料を複数のロットにわたって迅速かつ効率的に評価する方法を提供します。純度の評価は、多くの場合、外部標準に対して行われる qNMR 試験によって行われます。これらの試験を実施し、純度や適合性が確立されると、その原料を製造工程に投入することができます。この試験は、最終製品が「要求通り」であることを保証するために、大量に必要とされることが多く、使用前に「記載通り」であることを確認する必要がある原材料の安定供給と適合性を確保するために必要なものです。

医薬品の製造工程における試験は、規格外製品による工場の操業停止を回避するための重要な鍵となります。ラボ試験は通常、中間体や医薬品が参照標準と確認できるように、製造経路の様々な段階で実施されます。この試験は、あらかじめ決められた定量的な実験パラメータを用いて、純度が既知の標準試料に対して、原料のサンプルを NMR 分析することにより行います。

最近では、連続生産のためのフローケミストリーに NMR を組み込むことで、さらに効率的な生産が可能になりました。製薬業界では、従来のバルク生産に代わる連続生産の確立を目指しており、プロセス全体を通じてすべての反応を制御・監視する自動品質管理プロセスは大きな利点となります。卓上型 NMR は、このような環境において、リアルタイムの安定した品質評価データにより、自動化学生産の要件に対応するソリューションを提供することができます。

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