NMRによる岩石コア分析の進展

核磁気共鳴（NMR）はコア分析においてどのような役割を果たし、他の一般的な分析技術をどのように補完するのでしょうか？

石油物理学や地球科学の分野で働いている人なら、空隙率の定義を含む正確な岩石コア分析の重要性を十分認識していることでしょう。また、この分析を実行するための主流な方法のいくつかについてもご存知でしょう。この記事では、コア分析の別の方法を紹介します。核磁気共鳴法（NMR）は、特定のNMR技術に関する幅広い知識がなくても、複数のパラメータを迅速かつ正確に測定することが可能なのです。

NMRを水銀ポロシメーターや比抵抗測定の代替法として提案しているのではなく、それらの方法を補完するものだということが、非常に重要な点だと考えています。岩石試料に石油物理学を適用することは、未だ確実な科学ではないと言わざるを得ないため、より多くの測定値を加えることができれば、より良い結果を得ることができるだろうと期待をしているところです。

水銀ポロシメーターは細孔の形状や細孔の分布に関する情報を、比抵抗は流体の種類に関する情報を、NMRは細孔そのものと流体に関する情報を提供することが可能です。NMRは、他の手法では得られない岩石内部の流体の挙動に着目しています。流体の総量を可視化し、どれだけの流体が岩盤を流れるかを決定します。つまり、坑井を掘削する際に、どれだけの油が流れ、どれだけの油が毛細管圧で拘束されるかを正確に把握することができるのです。

さらに、NMRは非常にシンプルで直感的なプロセスであるため、専門的なトレーニングはほぼ必要ありません。ここオックスフォード・インストゥルメンツでは、石油物理学者、地球物理学者、地質学者、貯留層エンジニアにコアサンプル中の流体の性質と挙動に関する極めて重要な情報を提供する、ユーザーフレンドリーなGeoSpecシリーズのロックコア分析装置を開発しています。

GeoSpecは業界標準のNMRロックコア分析装置で、世界中のほとんどの主要な石油生産会社やSCAL研究所に設置されています。2、12、20MHzで動作する3つのモデルが利用可能です。GeoSpec 2MHzモデルは、緩和分布のルーチン測定における業界標準であり、空隙率、自由流体と結合流体の決定、およびT₂カットオフなどの基本的な石油物理学的パラメータの予測を可能にします。

GeoSpec を使用すると、新しく革新的な方法で岩石の貯留特性を評価することができ、石油物理学的な用語で回答を得ることができるため、ユーザーは基礎となる NMR 技術の専門家である必要はありません。また、従来の砂岩や炭酸塩だけでなく、頁岩（シェール）のような緊密な岩石を分析するために特別に設計されています。

NMRは、流体種類の分類、毛細管圧、流体分布など、より多くのデータを提供できることが重要な点です。これらについては、次回以降に紹介いたします。また、浸透率、毛細管圧、油/水、ガス/水の含有量を把握するためのNMRの可能性を探っていきます。

石油会社はNMRを事実上のパッケージとして期待しているため、もし、あなたが岩石コア分析研究所で働いているとするならば、NMRをあなたのツールキットの１つにするべきでしょう。現在のNMRは、流体の挙動や体積を正確に調べることができる、貴重な分析ツールとなっています。

当社の革新的な測定ソリューションがお客様のオペレーションをどのように改善できるか、デモをご希望の方は、当社のエキスパートチームにご連絡ください。

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