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慢性疾患検出のための生体流体 NMR 解析

NMR は、メタボローム解析のための生体流体の迅速な分析を可能にし、慢性疾患の検出と治療に大きく貢献します。最近、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、成人発症性失明症などの疾患の特定に役立つ最も重要なバイオマーカーの範囲を特徴付けるために、卓上型 NMR を用いたいくつかの研究が査読つき論文で発表されました。したがって、メタボローム研究に NMR、可能であれば卓上型 NMR を使用することで、慢性疾患の早期発見を促進し、高齢化に伴う医療制度への負担を軽減するための臨床判断支援ツールの開発を可能にすることが期待されます。

NMR による生体流体のメタボローム解析では、効果的な溶媒制御が必要です。一般的にこれらのサンプルは高濃度の水を含んでいるため、NMR スペクトル中の医学的に重要な分子からの微小シグナルを見逃してしまう可能性があるというのがその理由です。最近、研究者により X-Pulse 卓上型 NMR 分光計の水分抑制機能を使い、慢性腎臓病のネコの尿から、対照群にはない最大 15 種類の代謝物を同定することに成功しています。ネコの尿は、ヒトと同等の類似化合物として知られています。このことは、同様の卓上型 NMR ベースのメタボロミクス技術により、尿やその他の生体流体中のさまざまなマーカーの組み合わせを同定できることを示しています。このようなバイオマーカーを同定することで、様々な統計解析や計算知能ツールを用いて、それらの長期慢性疾患に罹患している可能性が最も高い被験者を特定することができます。

図 1:主要代謝物であるネコ尿の 1H NMR スペクトル。左上は、同研究において得られた同様の 4 つのスペクトル。
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